gallery −墨絵 2−


作品 675×300mm
アトリエでは音源が何もなかった
雨の音だけで 時間の感覚もなくなっていた
それぞれに仮眠を取り始めたころ
私は ビーズでブレスレットを作っていた

いつもなら なんとなくテレビがついているか
CDをかけているか… 某かの音がある

何もないと 頭の中にいろんな音楽が流れてくる
歌謡曲が多いけれど
ふと ピアノ曲が浮かんだ
今年、コンサートホールで何度か聞いた曲
冬季オリンピック・フィギュアスケートでも流れていた

タンタターン タンタターン タタタ タタタ タタタタン
リズムの向こうで細かく流れる
月の光が降るような音
ベートーベン作曲 ピアノソナタ 『月光』

元々 月が好き
暗くなってから外に出ると ほとんど無意識に空を見る
月を探す
空の高いところに引っかかったような 三日月も
低い位置におぼろに光る半月も
くっきりと大きな満月も
そして、そこに確かにあるのに見えない新月も
どんな月もそれぞれに良い
今年は特に 満月が良く見えた

『月光』を聞くと
キラキラと降る月の光と
いろんな姿の月が見える


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